2023年7月23日、福岡で開催された世界水泳選手権の男子400m個人メドレー決勝で、フランスのレオン・マルシャンが4分2秒50の世界新記録を樹立しました。この記録は、2008年北京オリンピックでマイケル・フェルプスが打ち立てた4分3秒84という従来の世界記録を15年ぶりに更新する歴史的快挙となりました。
マルシャンはレース序盤からハイペースで飛ばし、バタフライと背泳ぎで世界記録ペースを維持。特に平泳ぎでライバルたちを大きく引き離し、ラストの自由形でもペースを落とすことなくフィニッシュしました。2位にはアメリカのカーソン・フォスター、3位には日本の瀬戸大也が入りました。
この400m個人メドレーの世界記録は「高速水着時代」に樹立されたものとして長らく破られておらず、マルシャンの記録更新は競泳界に大きな衝撃を与えました。高速水着規制後の新時代における世界新記録として、その意義は非常に大きいものです。
レオン・マルシャンはフランス・トゥールーズ出身で、両親ともに元オリンピック競泳選手という競泳一家に生まれました。東京オリンピック後はアメリカ・アリゾナ州立大学で、マイケル・フェルプスの元コーチであるボブ・ボウマンの指導を受けて急成長を遂げています。
レース後、マルシャンは「この記録はクレイジーだ。まだ自分のベストは見えていない」と語り、今後の更なる飛躍にも意欲を見せました。今回の世界新記録樹立により、マルシャンは2024年パリ五輪での金メダル候補として世界中から大きな注目を集めています。この快挙は男子400m個人メドレーの新たな時代の幕開けとなりました。


