2023年10月8日、アメリカ・イリノイ州で開催された第45回シカゴマラソンにおいて、ケニアのケルビン・キプタムが男子マラソンの世界新記録となる2時間00分35秒で優勝しました。この記録は、従来のエリウド・キプチョゲが2022年ベルリンマラソンで樹立した2時間1分9秒を34秒も更新する快挙となりました。
キプタムはレース序盤からハイペースで進み、ハーフ地点を1時間0分48秒で通過。30kmを過ぎてからさらにスパートをかけ、後半のハーフを59分47秒という驚異的なペースで走り抜けました。ネガティブスプリット(後半の方が速いペース)を実現し、最後まで力強い走りを見せました。
これがキプタムにとってマラソン3戦目であり、2022年12月のバレンシアマラソン(2時間1分53秒)、2023年4月のロンドンマラソン(2時間1分25秒)に続く3連勝となりました。今回の記録は1kmあたり約2分51秒という驚異的なペースで、人類初の2時間切りにさらに近づく歴史的な瞬間となりました。
キプタムは1999年12月2日生まれ、ケニア出身の長距離ランナーです。身長180cm、体重65kgと恵まれた体格を持ち、短期間で世界トップレベルに駆け上がりました。2024年2月11日、交通事故により24歳の若さで逝去したことも大きな衝撃を与えました。
この世界新記録の達成により、マラソン界では公認レースでの「サブ2(2時間切り)」がより現実的な目標となり、世界中のランナーやファンに大きなインパクトを与えました。キプタムの偉業は、今後のマラソン界に新たな歴史を刻む出来事となりました。


