マルケタ・ボンドロウソバがウィンブルドン女子シングルス初優勝、ノーシードからの快挙

TENNIS

2023年7月15日、ウィンブルドン女子シングルスで歴史的快挙

2023年7月15日、ロンドン・オールイングランド・クラブで開催されたウィンブルドン選手権女子シングルス決勝において、チェコ出身のマルケタ・ボンドロウソバ(24歳)がノーシードからの初優勝という歴史的快挙を成し遂げた。世界ランキング42位のボンドロウソバは、第6シードのオンス・ジャブール(チュニジア)を6-4、6-4のストレートで破り、自身初のグランドスラム制覇を達成した。この優勝は、ウィンブルドン女子シングルスにおいてオープン化以降初めてノーシード選手が頂点に立った瞬間となった。

ノーシードからの快進撃

ボンドロウソバは、これまで芝コートを得意としていなかったが、今大会では持ち前の安定したストロークとネットプレーで強豪選手たちを次々と撃破。決勝では、昨年も決勝に進出し準優勝だったジャブールを相手に、序盤から落ち着いたプレーを見せた。第1セットを6-4で先取し、第2セットでは一時1-3とリードを許すも、冷静な試合運びで逆転。最後は華麗なボレーで勝負を決め、芝の上に仰向けに倒れ込み歓喜の涙を流した。

苦難を乗り越えた栄冠

昨年は手首の手術のため半年間ツアーを離脱し、ウィンブルドンも欠場していたボンドロウソバ。復帰後も以前のレベルに戻れるか不安を抱えていたが、地道な努力を重ねてきた。優勝後のインタビューでは「何が起きているのか分からない。自分を誇りに思う」と感慨深く語った。夫も決勝の現地観戦に駆けつけ、勝利の瞬間には涙を流して喜びを分かち合った。

歴史に名を刻む初優勝

ノーシードでのウィンブルドン女子シングルス優勝は大会史上初めてであり、世界ランキング42位からの制覇も前例のない快挙となった。優勝賞金は235万ポンド(約4億3千万円)。チェコの女子選手としてはヤナ・ノボトナ、ペトラ・クビトバに続く3人目のウィンブルドン女王となった。ボンドロウソバは「去年の今頃はギプスをつけていた。ここまでの道のりは簡単ではなかったが、テニスを続けてきて本当に良かった」と語り、その歩みが多くのファンに感動を与えた。